研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介010920

Acta Paediatr. 2018 Jul;107(7):1145-1155.

Review concludes that specific recommendations are needed to harmonise the provision of fresh mother's milk to their preterm infants

目的:早産児への新鮮母乳使用について、特異的な推奨は存在しない。われわれは、新鮮母乳の採取・保存・投与法に関して入手可能なエビデンスについてレビューを行った。
方法:早産児への新鮮ヒト母乳使用に関するフランス新生児学会ワーキンググループは、英語またはフランス語で出版された論文について、2017年6月までのMEDLINEデータベースとCochrane Libraryを検索した。前方視的・後方視的・臨床研究282論文を特異的に解析し、様々な国のガイドラインを検証した。
結果:このレビューによって、新鮮母乳は、最新の推奨と一致して、優先されるべきであると結論付けられた。しかし、期待される有益性が異なる手技に関連するリスクにより相殺されないように、厳重な条件下で行わなければならない。ワーキンググループは、高い栄養価・免疫能と適切なウイルス学的・細菌学的安全性とのバランスを取って、ヒト母乳を用いた早産児の栄養法の最良の状況についてまとめた。専門家は特異的かつ強力なサポートとともに、母乳哺育確立のための必要条件を両親に提供しなければならない。
結論:レビューに基づき、ワーキンググループは、期待される有益性が手技に関連するリスクに相殺されないように、注意深い状況下での新鮮母乳使用のための特異的な推奨を作成した。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/apa.14259