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文献紹介020119(Trends in epidemiology and outcomes of respiratory distress syndrome in the United States. Pediatr Pulmonol. 2019 Jan 20. [Epub ahead of print])

Pediatr Pulmonol. 2019 Jan 20. [Epub ahead of print]

 

Trends in epidemiology and outcomes of respiratory distress syndrome in the United States

 

背景:新生児の呼吸窮迫症候群(Respiratory Distress SyndromeRDS)の管理方法は時代とともに変化してきた。われわれは米国の在胎期間34週以下の早産児におけるRDSの疫学、資源活用、予後(死亡率と気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasiaBPD))の傾向について調べた。

方法:本後方視的連続横断研究で、われわれは、2003年から2014年に出生した在胎期間34週以下の早産児をRDS『あり』または『なし』に分類するために、ICD-9コードを使用した。ICD-9によりRDSICD9-RDS)と診断された児の頻度、入院期間、BPD、死亡率の傾向についてCochran-Armitageテスト、Jonckheere-Terpstraテスト、多変量ロジスティック回帰を用いて解析した。

結果:在胎期間34週以下の早産生存児1,523,186人のうち、554,409人がICD9-RDS260例/1000出生)であり、2003年から2014年にかけて有病率は170から361に上昇し(Ptrend < 0.001)、全死因死亡率は減少した(7.6%から6.1%Ptrend < 0.001)。非侵襲的機械的換気(non-invasive mechanical ventilationNIMV)使用の増加(69.5%から74.3%Ptrend < 0.001)は96時間以上の侵襲的機械的換気(invasive mechanical ventilationIMV)使用減少(60.4から56.6%Ptrend < 0.001)と関連した。NIMVのみの使用は16.8%から29.1%に増加した(Ptrend < 0.0001)。BPD発症率は14%から12.5%に減少した(Ptrend  < 0.001)。入院期間は32日から38日に増加し(Ptrend < 0.001)、コストは$49,521から$55,394に増加した(Ptrend < 0.001)。

結論:2003年から2014年にかけて、ICD9-RDSの診断、NIMV使用は増加し、ICD9-RDSと診断された児の死亡率は減少した。高い生存率とともに、病院のコストは徐々に増加し、このことは早産児のための三次施設で提供されるケアに対する適切な診療報酬の解析を行うことの重要性を示している。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ppul.24241