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文献紹介032319(Designing a better definition of bronchopulmonary dysplasia-1)

Pediatr Pulmonol. 2019 Mar 12. [Epub ahead of print]

Designing a better definition of bronchopulmonary dysplasia

新生児・乳児で最も頻度の高い慢性肺疾患である気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasia、BPD)は多因子の病因、様々な臨床経過、重度の長期呼吸および神経発達予後不良を伴う複雑な疾患である。この疾患に関しては多くの課題があるが、重要かつ面倒な問題はまさにBPDの定義である。
1960年代前半に、重症『硝子膜症』で死亡した新生児の病理学的所見が初めて報告されたが、『気管支肺異形成症』という単語の使用は、臨床的・病理学的・放射線学的特徴の記述とともに1967年に初めて報告された。1979年、前年に行われたワークショップを基に、国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute、NHLBI)は『特徴的な』レントゲン所見とともに日齢28での酸素需要に注目した純粋な臨床的定義を提案した。これはShennanらが提唱した修正36週時の酸素需要を用いた定義に引き継がれた。臨床的酸素需要と呼吸補助の程度に主に注目する傾向は続き、2000年に国立小児保健発育研究所、NHLBI、希少疾患局は現在の(NIHコンセンサス)BPDの定義を提案した:少なくとも日齢28、修正36週時に酸素を要する児。さらに疾患を軽症、中等症、重症に分類した。
治療法それ自体がこの未熟児集団における標準的なガイドラインを持たないことを考えると、上のようなアプローチの主な間違った考え方は疾患の診断に治療法を用いたことであった。上記の状況を打開するために、BPDの『生理学的』定義が提案された。最近では、BPD定義のさらなる改良により、修正36週時に評価したレントゲン上の変化と(侵襲的/非侵襲的)呼吸補助のモードと併せて、標的酸素飽和度と特異的酸素需要が組み合わされた。この定義と短期または長期予後の関連については報告がないため、この新しい定義が改善されたものになるのかどうかを言うには時期尚早である。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ppul.24305