Front Immunol. 2020 Mar 5;11:357.

Intestinal Dysbiosis and the Developing Lung: The Role of Toll-Like Receptor 4 in the Gut-Lung Axis

背景：超未熟児にとって、出生後発育不全（postnatal growth restriction、PNGR）はよく生じ、気管支肺異形成症（bronchopulmonary dysplasia、BPD）と肺高血圧（pulmonary hypertension、PH）発症のリスクを増加させる。低栄養が肺発達に影響を与える機序については分かっていないが、腸管細菌叢の変化がひとつの役割を果たしているようである。齧歯類モデルでは、PNGRプラス高濃度酸素はBPDとPHを生じさせ、Toll-like receptor 4（TLR4）を刺激するグラム陰性細菌である腸管腸内細菌科を増加させる。われわれは、『腸管腸内細菌叢異常は肺発達に影響を与える腸管TLR4誘導の全身性炎症を活性化させる』という仮説を立てた。

方法：新生仔ラットを出生時に17（PNGR）または10（正常発育）に割り付け、14日間ルームエアまたは75%酸素に暴露させた。半分の新生仔に対して、出生から日齢3の初めまでTLR4阻害剤TAK-242を投与した。14日後、肺動脈圧を心臓超音波検査で評価し、心臓の右室肥大（right ventricular hypertrophy、RVH）も評価した。肺と血清サンプルはウエスタンブロットおよび免疫組織化学により解析した。

結果：出生後発育不全+高濃度酸素は、肺組織内の血漿IL1β増加傾向とNFκB阻害剤であるIκBα減少の傾向傾向を伴い、肺動脈圧とRVHを増加させた。TLR4阻害剤投与はPHと炎症を軽減させた。

結論：出生後発育不全は腸管腸内細菌科を増加させた結果、PHを生じさせた。TLR4パスウェイの活性化は、腸管細菌叢異常が肺発達に影響を与える機序のひとつである可能性がある。

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2020.00357/full