研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介041420

J Clin Virol. 2018;102:39-41.

Long-term stability of CMV DNA in human breast milk

背景:ヒト・サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)は子宮内および周産期ウイルス感染症の第一の原因である。新生児における最もよく見られるCMV感染経路は母乳経由であり、これは児の合併症および死亡を生じさせうる。長期間冷凍された母乳が感染源になるかを判断するためにCMV DNA検査を行う必要があるかもしれない。臨床検査室が正確なウイルス量測定のために冷凍母乳中のCMV DNAの安定性を保証することは困難であった。
目的:4℃保存の母乳28日間と-20℃保存の母乳90日間の定量ウイルス量検査によって母乳中CMV DNAの安定性を評価することを目的とした。
研究デザイン:ウイルス量のベースラインを日齢0に決定し、4℃保存のサンプルは28日まで4つのタイムポイントで抽出および増幅を行った。-20℃保存のサンプルは90日まで5つのタイムポイントで抽出および増幅を行った。Log10値を計算し、t検定、Pearsonの係数、一致相関係数を計算した。
結果:t検定によりタイムポイント間で統計学的有意差はなく、相関係数により調べた両方の保存温度で、日齢0と28、日齢0と90で90%以上の一致が示された。
結論:母乳中CMV DNA濃度は、4℃で28日間、-20℃で90日間、ベースラインウイルス量と有意差なく安定していた。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1386653218300477?via%3Dihub