J Infect Public Health. 2020. [Epub ahead of print]

Unlikely SARS-CoV-2 vertical transmission from mother to child: A case report

2019新型コロナウイルス疾患（2019 novel coronavirus disease、COVID-19）が中国経由で70ヵ国以上へと急速に広がるにつれ、感染妊婦数が増加している。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（severe acute respiratory syndrome coronavirus 2、SARS-CoV-2）の垂直感染の可能性が産科医・新生児科医・公衆衛生当局にとって大きな懸念となっている。いくつかの研究では、垂直感染のリスクは低いと示されているが、多くの検体を用いて包括的な連続的検査を行った症例報告はほとんどない。本症例は、COVID-19陽性母体から出生した早産女児である。児は軽度の呼吸窮迫を示し、一般管理と短期間の経鼻的持続陽圧呼吸補助が行われた。入院中、咽頭および肛門スワブ・血清・気管支肺胞洗浄液・尿を用いた一連のSARS-CoV-2核酸検査は陰性だった。母体の羊水・膣分泌物・臍帯血・胎盤・血清・肛門スワブ・母乳も陰性だった。現在まで報告されている最も包括的に検査を行った症例でCOVIDの垂直感染はなさそうなことが確認されたが、依然、より多くのエビデンスが必要である。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1876034120304391?via%3Dihub