埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介052820
J Pediatr. 2019;214:34-40.
Detection of Cytomegalovirus in Intestinal Tissue of Infants with Necrotizing Enterocolitis or Spontaneous Intestinal Perforation
目的:小腸の壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis、NEC)または自然消化管穿孔(spontaneous intestinal perforation、SIP)児の外科的手術または剖検消化管組織中サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)の検出頻度を検討した。
研究デザイン:本研究は、2000年から2016年にNEC(ベル分類2B以上)またはSIPに罹患した、オハイオ州コロンバスNationwide Children's HospitalのNICU入院児の後方視的コホート研究である。パラフィン包埋した外科的手術または剖検消化管組織をPCRと免疫組織化学(immunohistochemistry、IHC)でCMVを検出し、CMV陽性と陰性の臨床的特徴について比較した。
結果:CMVはPCRまたはIHCで外科的手術または剖検で確認されたNECまたはSIP178例のうち7例(4%)で検出された(NEC(6例)、SIP(1例))。NEC143例(外科的手術123、剖検20)のうち、CMVは6例(4%):PCRとIHCで4例(外科的手術2、剖検2)、PCR単独2例(外科的手術)で検出された。SIP35例(外科的手術32、剖検3)のうち、外科的手術1例(3%)でPCR単独陽性だった。CMV関連NEC例は在胎期間(24対28週;P = .02)、出生体重(649対1121 g;P = .04)、血小板数(16 000/mm3対50 000/mm3;P = .018)中央値がCMV陰性例と比較してそれぞれ低かった。母乳栄養、NEC診断日齢、男児、胆汁鬱滞、死亡との関連は認めなかった。
結論:CMVはNECまたはSIP症例の4%の消化管組織で検出された(NEC 4%、SIP 3%)。早い在胎期間、低出生体重、血小板減少が有意にNECまたはSIP症例でのCMV検出と関連した。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002234761930890X?via%3Dihub