研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介060420

Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2019 Nov;104(6):F604-F608.

New short-term heat inactivation method of cytomegalovirus (CMV) in breast milk: impact on CMV inactivation, CMV antibodies and enzyme activities

目的:母乳は、未熟児へ有害な結果をもたらすサイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)感染の第一の感染源である。それゆえに、われわれはCMV不活化・CMV-IgG抗体と母乳酵素活性に対する影響に関して、短期母乳低温殺菌の温度と期間について評価した。
方法:人工的にCMVを入れた母乳116と野生型ウイルス感染母乳15を異なる温度(55°C-72°C)で5秒間処理した。線維芽細胞核内のCMV-IE-1発現を短期微小培養中の乳性分画を用いて評価した。①母乳リパーゼ、②アルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase、AP)活性、③CMV-recomLine免疫ブロットを用いたCMV結合、④上皮標的細胞を用いた中和抗体、を加熱前後で解析した。
結果:CMV-AD-169と野生型感染母乳の両方でCMV不活化には最低60°C以上5秒が必要だった。リパーゼはとても熱感受性が強かった(55°C で54%、60°C で5%、65°Cで2%の活性)。AP活性はそれぞれ、77%、88%、10%だった。CMV-p150 IgG抗体は62°C、5 秒でほとんどが保存された。
結論:われわれの結果により、62°C 、5秒の母乳の短期低温殺菌はCMV不活化に有効である可能性があり、酵素活性・CMV結合・機能的CMV抗体の喪失を減らすことが示された。

https://fn.bmj.com/content/104/6/F604.long