研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介060620

Neonatology. 2020:1-7. Online ahead of print.

 

Using Experimental Models to Identify Pathogenic Pathways and Putative Disease Management Targets in Bronchopulmonary Dysplasia

 

気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasiaBPD)は早産児の高頻度で重篤な合併症である。重症BPDを合併した極早産児の管理に使用する薬理学的および他の医療的介入は現在限られている。BPDは実験動物を使用して前臨床研究でモデル化され、実験動物モデルは、肺サーファクタント補充療法や単回出生前ステロイド投与等、BPDに対する代表的な臨床的管理戦略の開発には非常に重要であった。満期産の齧歯類を好んで、BPD大型動物モデルから徐々に離れる動きは、正常および不良な肺発達に関する多くの新しい機序の同定を促進させたが、このことにより、BPDの病因に関するパスウェイや推定される疾患管理ターゲットの同定を目的とした実験動物モデルの使用が少なくなった可能性がある。確かに、ランダム化比較試験で確認されたBPD管理のための最近の薬理学的介入は、実験動物モデルで出された前臨床データをほとんど当てにしていない。BPD齧歯類モデルは遺伝学的技術が利用できる点で非常に有利である一方で、呼吸力学・ガス交換・肺血行動態の研究利用に限りがあるなどかなり欠点もあり、研究下の病態生理で肺の未熟性と感染の背景がほとんどない場合は、実臨床との関連性が少ない。BPD管理のための新規薬理学的介入および他の介入候補を評価するために、BPD罹患児で生じている病理学的過程をより良く反映させるため、既存のモデルを改良する必要が差し迫っている。


https://www.karger.com/Article/FullText/506989