研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介062920

Acta Paediatr. 2020 Jun 22. Online ahead of print.

Bronchopulmonary dysplasia predicted at birth by artificial intelligence

目的:予後の改善のため、気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasia、BPD)の予測と早期標的介入のための迅速なベッドサイド検査を開発することを本研究の目的とした。
方法:在胎期間24-31週の早産児を対象とした多施設研究で、出生時の臨床データを出生時に採取した胃吸引サンプルのスペクトルデータと組み合わせ、人工知能を用いて解析した。本研究は、BPD発症を予測するためのアルゴリズムを開発することを目的にデザインされた。BPDの定義は米国国立衛生研究所で合意された定義、少なくとも28日間の酸素需要と修正36週時点での評価、を用いた。
結果:対象児61人中26人(43%)がBPDを発症した。胃吸引液のスペクトルデータ解析により、分類に最も重要な波数が同定され、サーファクタント療法・出生体重・在胎期間が最も重要な予測臨床データだった。これらのデータを組み合わせることにより、BPD早期診断のためのアルゴリズムは、感度88%・特異度91%だった。
結論:新しいソフトウェアのアルゴリズムを用いて、出生時にBPD発症を予測するための診療現場での検査を開発した。これにより、予後を改善させるBPDの早期標的介入が可能になるであろう。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/apa.15438?af=R