研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介091820

Pediatr Qual Saf. 2020 Jun 26;5(4):e312.

 

Reducing Opioid Exposure in a Level IV Neonatal Intensive Care Unit

 

背景:新生児集中治療室の児はケアの一部として、痛みを伴い不快な刺激を避けることはできない。オピオイド等、鎮痛薬の慎重な使用が必要である。しかし、これらの治療薬は、神経毒性の可能性等、長期的および短期的副作用が存在する。この質改善プロジェクトの主要目的は、12か月間で出生体重1,250 g未満の児に対して、生後14日間のオピオイド暴露を33%減少させることである。

方法:①一貫性のない客観的痛みスケールの報告、②一定しない医療者の処方パターン、③一定しない医療者のベッドサイドでの痛みの評価等、質のギャップの根本的な原因を明らかにするため、多職種ケアチームにより定義・測定・解析・改善・標準化が行われた。これらの根本的な原因は2つの介入、①未熟児痛みプロファイルスコアによる標準化した報告、②鎮痛薬管理パスウェイの導入、によって対処された。

結果:出生体重1,250 g未満の児において生後14日間のモルヒネ換算で測定した平均オピオイド暴露は介入後の期間中、ベースラインの0.64 mg/kg/d95% confidence interval 0.41-0.87)から0.08 mg/kg/d95% confidence interval 0.03-0.13)へ減少した(P < 0.001)。両期間の間で、フルフィーディングまでの日数・計画外抜管・中心ライン抜去の割合に統計学的差は認めなかった。

結論:統一した痛みスコアの報告と鎮痛薬管理パスウェイの導入後、1,250 g未満の児において、生後14日内のオピオイド暴露は、プロジェクトの目標を超えて、88%有意に減少した。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7339154/