研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 COVID-19文献紹介043020

Int J Gynaecol Obstet. 2020. [Epub ahead of print]

A systematic scoping review of COVID-19 during pregnancy and childbirth

背景:妊娠中のCOVID-19感染の臨床所見と予後に関してはよく分かっていない。
目的:妊娠と出産時のCOVID-19感染、特に臨床所見と予後に関して発表されている文献をまとめた。
検索方法:LitCovid、EBSCO MEDLINE、CENTRAL、CINAHL、Web of Science、Scopusといった電子データベースを用いて系統的に検索した。関連する研究の参考文献も検索した。
選択基準:原著の選択と症例の重複の照合のために、同定したタイトルと抄録のスクリーニングを行った。
データ収集と解析:臨床所見(症状・画像・検査)と予後(母体・周産期)の面から記述的サマリーをまとめた。
結果:われわれはCOVID-19感染妊婦385人を報告した33研究を同定した:368人(95.6%)は軽症、14人(3.6%)は重症、3人(0.8%)が重篤だった。17人が集中治療室に入室し、そのうち6人が機械的人工換気、1人が母体死亡だった。252人が出産し、175人(69.4%)が帝王切開、77人(30.6%)が経膣分娩だった。新生児256人の予後は、4人がRT-PCR陽性、2人が死産、1人が新生児死亡だった。
結論:妊娠中のCOVID-19感染はおそらく非妊婦と似た臨床所見と重症度であり、母体または周産期予後不良とはおそらく関連がない。

https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ijgo.13182