研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 COVID-19文献紹介062520

Int J Environ Res Public Health. 2020;17(11):E4176.

Effects of COVID-19 Infection during Pregnancy and Neonatal Prognosis: What Is the Evidence?

背景:本研究では、妊婦におけるCOVID-19感染の潜在的リスクと結果として生じる胎児感染について文献で示された現在のエビデンスについて評価する。
方法:『妊娠中のCOVID-19感染の影響はどうか?新生児予後はどうか?』という問いに答えるために、医療分野で最も包括的なデータベースで出版された文献を評価する系統的文献レビューを行った。
結果:2020年に出版された49の論文が対象となり、エビデンスレベルは低かった。妊婦755人と新生児598人が評価された;妊婦の半数以上が帝王切開だった(379/65%)。493人(82%)の児のみがSARS-CoV-2の検査を行い、9人(2%)が検査陽性だった。しかし、今まで評価したものによると、垂直感染のエビデンスはなく、産中・産後のケアに関する知識のギャップやSARS-CoV-2検査のための適切な生物学的サンプルの欠如の存在が考えられた。
結論:われわれは、感染が併存疾患と関連しようがしまいが、呼吸障害や心リズム障害、酸塩基平衡異常発生により、SARS-CoV-2感染妊婦の臨床所見が悪化する可能性があることを他から除外することはできなかった。われわれは、分娩前または新生児と初めて接触する前の検査に加えて、すべての妊婦に対して連続モニタリングを推奨する。

https://www.mdpi.com/1660-4601/17/11/4176