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文献紹介080219(Less invasive surfactant administration (LISA): chances and limitations)

Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2019 Jul 11. [Epub ahead of print]

 

Less invasive surfactant administration (LISA): chances and limitations

 

非侵襲的換気と特に持続気道陽圧(continuous positive airway pressureCPAP)の使用は呼吸に問題のある未熟児の標準治療となった。しかし、CPAPの失敗は呼吸窮迫症候群、つまりサーファクタント欠損に由来している可能性がある。低侵襲サーファクタント投与(Less invasive surfactant administrationLISA)は児が自発呼吸をしている間にサーファクタントの適量を投与することを目的とし、そのため陽圧補助換気を回避できる。サーファクタント投与のための細いカテーテル使用により、児は声門の機能を維持し、自発呼吸を継続することができる一方で、挿管-サーファクタント-抜管法(INtubate-SURfactant-ExtubateINSURE)は鎮静/鎮痛と通常の挿管と短期間の陽圧換気につながる。個々の研究とメタ解析により、LISAは通常治療またはINSUREより、短期予後(機械的人工換気回避)および長期予後(脳内出血と気管支肺異形成症)の両方において有効であるとまとめられている。現在未解決な問題としては、異なる在胎期間毎の正確な治療基準、LISAを目的に最近作られたデバイス/カテーテルの有用性、手技中の鎮痛/鎮静に関する問題がある。現在の技術では依然として児にとって不快な喉頭鏡の使用が必要である。したがって、①生直後の咽頭サーファクタント沈着の研究、②サーファクタント投与のためのラリンジアルエアウェイの使用、③吸入サーファクタントの試み、が現在進行中である。最後に、LISAはサーファクタント投与のための複雑で孤立した手技ではあるが、むしろある部分では、子宮外環境に穏やかに移行させるコンセプトを支持する包括的な非侵襲的手法であり、早産児は自発呼吸の利点の恩恵を得ることができる。


https://fn.bmj.com/content/early/2019/07/10/archdischild-2018-316557