研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介081719

J Neonatal Perinatal Med. 2018;11(2):121-130.

 

Bronchopulmonary dysplasia appropriateness as a surrogate marker for long-term pulmonary outcomes: A Systematic review

 

背景:気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasiaBPD)は肺疾患の重症度を臨床的に示すために使用され、臨床試験の長期呼吸器合併症の代用評価項目としてよく利用されているが、その代用評価項目としての性能は評価される必要がある。今回、長期呼吸器合併症の代用マーカーとしてのBPDの実際の性能を評価することを目的とした。

方法:われわれは、長期呼吸器予後の代用マーカーとしてのBPD使用を評価するため、大規模多施設盲検ランダム化比較試験の系統的レビューを行った。長期呼吸器予後は2年間で評価し、病院利用・呼吸器疾患・呼吸器関連薬剤・死亡率等とした。効果の方向と大きさは治療必要例数解析を用いて評価した。

結果:5つの研究がレビューされた。研究によってBPDの定義と評価した長期予後が異なった。1つの研究でのみBPDと長期呼吸器予後の両方で一致した有意なリスク減少を認めた。2つの研究で、BPDの有意ではない減少と長期呼吸器予後の有意な減少を認めた。

結論:BPDは長期呼吸器予後の不完全な代用マーカーである。BPDは長期呼吸器予後に対する介入効果の大きさと方向を常に予測しなかった。さらに、BPDの定義と評価した長期呼吸器予後が大きく異なっていた。より予測可能な代用マーカーを同定するための将来の研究と、長期呼吸器予後評価のより良い標準化が必要である。


https://content.iospress.com/articles/journal-of-neonatal-perinatal-medicine/npm1756