研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介081919

Am J Perinatol. 2018 May;35(6):537-540.

 

Bronchopulmonary Dysplasia: Can We Agree on a Definition?

 

ここ50年の産科・新生児ケアの進歩により、気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasiaBPD)の病態生理と臨床所見が変化した。Northwayらによる比較的成熟した早産児の重症肺傷害としてのBPDの元来の記述に対して、現在最もよく見られるBPDの形態は超早産児の慢性呼吸不全が特徴である。このBPDの表現型の進化により、鼻カニューレ酸素の使用増加などの呼吸補助療法の変化を伴って、肺損傷の重症度を表現し、ある程度の正確性を持って長期呼吸器予後を予測する定義を決定するという特有の問題があがっている。現在のBPDの定義の限界には、長期呼吸器予後との関連が一貫しない、修正36週以前に重症呼吸不全で死亡した児を分類できない、鼻カニューレ酸素の児や呼吸不全の原因が肺外である児を不適切に分類する可能性がある、等ある。長い間、BPDの新しい定義の目的は、個々の患児をより正確に評価する病態生理と客観性のある呼吸機能評価に基づいた分類法の開発である。その時までに、現在の臨床診療を含み、後の呼吸器予後をそれなりに予測し、比較的使いやすい、コンセンサスの取れた定義が作られるべきである。


https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-0038-1637761