研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介091019

BMJ Paediatr Open. 2018 Jan 9;2(1):e000165.

 

Bronchopulmonary dysplasia-impact of severity and timing of diagnosis on neurodevelopment of preterm infants: a retrospective cohort study

 

目的:早産児の修正2歳時における神経発達障害(neurodevelopmental impairmentNDI)の予測に対する気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasiaBPD)重症度の寄与と診断時期を評価する。

デザイン:後方視的コホート研究

場所:3次周産期センター

対象と評価項目:在胎期間30週未満で2000-2013年に出生した児。BPD28日間以上FiO221%より高いものとし、重症度はFiO2=21%を軽症、FiO2 30%未満を中等症、FiO2 30%以上かつ/または陽圧補助を重症に分類した。われわれはこれらの基準を修正36週と40週の2回使用した。多変量回帰モデルをBPD重症度と認知または運動発達スコア2 SD未満・重症脳性麻痺・難聴と失明と定義したNDIとの関連(OR95% CI))を評価するために使用した。

結果:2歳時に評価した児610人(コホートの81%)のうち、357人(58%)がBPDを、98人(16%)がNDIを発症した。28日間以上FiO2>21も修正36または40週の軽症または中等症BPDNDIとは関連しなかったが、重症BPDは関連した(修正36OR 5.62.0-16.0)、修正40OR 16.64.6-59.9))。修正3640週の重症BPD児はBPDなしの児より低い認知発達スコア(それぞれ平均差 -11.4-18.5--4.3)、-25.7-35.9--15.5))、運動発達スコア(それぞれ-7.8-14.9--0.6)、-20.1-30.7--9.5))を示した。

結論:このコホートでは、重症BPDが軽症または中等症BPDよりも2歳時NDIの良好な独立した予測因子だった。修正40週でBPDを診断することにより、NDIの最高リスクにある児をうまく識別できるかもしれない。


https://bmjpaedsopen.bmj.com/content/2/1/e000165