研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介122119

Nutrients. 2018 Aug 18;10(8).

 

Nutrition of Preterm Infants and Raw Breast Milk-Acquired Cytomegalovirus Infection: French National Audit of Clinical Practices and Diagnostic Approach

 

生母乳は乳児にとって最適な栄養であるが、後天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症の主な原因でもある。それゆえ、多くの国々では、修正32週以前または体重1500 g未満では、CMV陽性母体から出生した早産児に対して生母乳を与えることは禁忌と選択されてきた。フランスの国の推奨は2005年以降更新されていない。国内すべての新生児治療室に送付された質問票を用いて、早産児における生母乳での栄養法に関する監査がフランスで行われた。診断された出生後ミルクによる後天性CMV感染症を、入院レポートを用いて解析した。新生児治療室の75%が回答した:24%がフランスの推奨を実施しており、20%が母体CMVの状況にかかわらず32週未満のすべての児に生母乳を禁忌とし、一方で25%はすべての早産児に無条件に生母乳を与えていた。ミルクによる後天性CMV感染症児35例が報告された。そのうち5例で診断は明らかだった。フランスでは、生母乳使用に関する医療行為のばらつきが大きく、母乳による後天性CMV感染症の診断方法がしばしば不十分である。これに関連して、国の推奨のアップデートとCMV感染症のモニタリングが早急に必要である。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6115774/