埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介040420
Am J
Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2020 Mar 18. [Epub ahead of print]
Intermittent
CPAP limits hyperoxia induced lung damage in a rabbit model of bronchopulmonary
dysplasia
早産児の多くが気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasia、BPD)を発症し、長期にわたる呼吸器系の健康問題を生じさせる。限られた治療オプションの中に、BPD減少と関連する少数の1つである持続気道陽圧換気(continuous positive airway pressure
ventilation、CPAP)がある。しかし、高濃度酸素暴露された発達過程にある肺に対するCPAPの陽圧効果に関してはほとんど知られていない。われわれは、BPD早産高濃度酸素ウサギモデルにおけるCPAPの機能的・構造的効果を明らかにすることを目標とした。ウサギ未熟仔をルームエアまたは高濃度酸素(≥95%酸素)または高濃度酸素+1日4時間のCPAP(FiO2 0.95、5cm H2O)にランダム化した。日齢7にわれわれは、非侵襲的圧-容量および強制振動に基づいた呼吸機能検査を行い、組織学的評価のため肺を摘出した。肺胞および血管形態、気道平滑筋、呼吸上皮高、細胞外基質成分および炎症性サイトカイン発現を定量した。高濃度酸素暴露新生仔は拘束性肺障害(肺実質組織・コラーゲン含量・気道平滑筋含量の増加を伴う肺胞壁肥厚)を生じた。さらに、末梢肺動脈壁が肥厚した。CPAPは肺胞リクルートメントを増加させ、呼吸上皮と肺動脈に対する高濃度酸素の構造的影響を抑制した。さらに、CPAPは肺機能を改善させ、高濃度酸素に関連する呼吸器系抵抗・組織ダンピング・組織エラスタンスの変化を軽減させた。高濃度酸素は機能的・構造的肺発達を障害した。毎日の間欠的CPAPは高濃度酸素に関連する肺機能減少を抑制し、構造的な肺胞への影響がない一方で、肺動脈および呼吸上皮に対する構造的変化を軽減させた。CPAPがこのような有効性を示す機序についてはさらなる研究が必要である。
https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/ajplung.00465.2019