Am J Perinatol. 2020 Apr 18. [Epub ahead of print]

 

Severe COVID-19 during Pregnancy and Possible Vertical Transmission

 

文献的には新型コロナウイルス2019（novel corona virus 2019、COVID-19）感染妊婦の症例はほとんどなく、あってもその多くが軽症の経過をとっている。子宮内感染および早期検査陽性新生児についてのエビデンスはほとんどない。帝王切開と糖尿病既往の41歳3経妊2経産妊婦が4日間の倦怠感・微熱・進行性の息切れを訴えた。鼻咽頭スワブでCOVID-19陽性、COVID-19抗体は陰性だった。患者は呼吸不全となり、第5病日に機械的人工換気が必要となった。帝王切開が行われ、臍帯遅延結紮・早期母児接触は行わず、出生後すぐに新生児隔離を行った。生後16時間の新生児鼻咽頭スワブで重症急性呼吸症候群コロナウイルス2（severe acute respiratory syndrome-coronavirus 2、SARS-CoV-2）リアルタイムPCR陽性、SARS-CoV-2に対するIgMおよびIgGは陰性だった。分娩後4日目（発症後9日目）、母体のIgMおよびIgGは陽性となった。われわれは、妊娠期間中のCOVID-19重症例を報告した。われわれの知る限り、本症例は新生児で最も早いPCR陽性の報告であり、垂直感染の懸念を生じさせた。われわれは、妊婦はハイリスク群と考え、これらの理由から暴露を最小限にすべきであることを提案する。

キーポイント：

・侵襲的換気補助を要する妊娠中のCOVID-19重症例を報告した。

・日齢0のリアルタイムPCR陽性例で、垂直感染の可能性が示唆された。

・分娩後までCOVID-19に対する母体抗体は検出されなかった。

https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-0040-1710050