埼玉医科大学総合医療センター小児科 COVID-19文献紹介050120
BJOG.
2020. [Epub ahead of print]
Vaginal
delivery in SARS-CoV-2 infected pregnant women in Northern Italy: a
retrospective analysis
目的:COVID-19感染妊婦の分娩様式と急性期新生児予後について報告する。
デザイン:本研究は後方視的研究である。
設定:イタリア北部の12病院
対象者:分娩を行ったCOVID-19感染確定妊婦
暴露:妊娠中のCOVID-19感染
方法:2020年3月1日~3月20日の期間に入院・分娩を行ったSARS-CoV-2感染妊婦を対象とした。データは診療録から、母体一般情報・既往・産科的合併症・妊娠経過・臨床所見・症状・COVID 19感染の治療・分娩様式・新生児データ・母乳栄養に関する標準的質問票を用いて収集した。
評価項目:分娩様式と新生児予後に関するデータ
結果:COVID-19感染妊婦42人が参加施設で分娩を行った:24人(57.1%、95% CI=
41.0-72.3)が経膣分娩だった。選択的帝王切開は18/42(42.9%、95%CI 27.7-59.0)で行われた:8例の適応はCOVID-19感染とは関係がなかった。肺炎は19/42(45.2%、95%CI 29.8-61.3)で診断された:このうち7/19(36.8%、95CI 16.3-61.6)で酸素が投与され、4/19(21.1%、95%CI=6.1-45.6)が集中治療室に入室した。分娩後に感染が診断されたため、COVID-19感染妊婦の2人がマスクなしで授乳を行った:その新生児はSARS-Cov-2感染陽性となった。1例だけ経膣分娩後に新生児が検査陽性だった。
結論:分娩後感染は100%確信をもって除外できないが、これらの知見から、経膣分娩は分娩中の新生児へのSARS-Cov-2感染低リスクと関連することが示唆された。
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/1471-0528.16278