研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 COVID-19文献紹介050720

Int J Infect Dis. 2020. [Epub ahead of print]

 

Coronavirus disease 2019 in pregnancy

 

目的:本研究では、COVID-19に感染した妊婦と生殖年齢非妊婦間の臨床経過と予後を比較することと、妊娠中のCOVID-19垂直感染の可能性を評価することを目的とした。

方法:2020115日から315日にCOVID-19で入院した妊婦と生殖年齢非妊婦の診療録を後方視的に見直した。疾患重症度・ウイルス・クリアランス時間・入院期間を主要評価項目とし、COVID-19の垂直感染の可能性も評価した。

結果:COVID-19検査陽性の患者82人(妊婦28人、生殖年齢非妊婦54人)を本研究の対象とした。単変量回帰では妊娠と疾患重症度(OR 0.7395% CI 0.08-5.15p=0.76)・ウイルス・クリアランス時間(HR 1.1695% CI 0.65-2.01p=0.62)・入院期間(HR 1.1095% CI 0.66-1.84p=0.71)には関連がなかった。妊婦22人が帝王切開(1760.7%)または経膣分娩(517.9%)で23人出産し、どの新生児もSARS-CoV-2に感染しなかった。

結論:SARS-CoV-2感染時、妊婦は生殖年齢非妊婦と同等の臨床経過と予後を示した。経膣分娩を含め、妊娠後期のCOVID-19垂直感染を支持するエビデンスはなかった。


https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1201971220302800?via%3Dihub