埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介063020
Medicine
(Baltimore). 2020;99(26):e20433.
Mechanism
of oxidative stress and Keap-1/Nrf2 signaling pathway in bronchopulmonary
dysplasia
気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasia、BPD)は未熟児でよく認める慢性肺疾患であり、新生児の後障害と死亡の第一の原因の一つである。Keap-1/Nrf2シグナル経路は抗酸化および抗炎症で重要な役割を果たす。健康な妊娠Sprague-Dawleyラット10匹(北京大学実験動物センター(中国)から購入)から新生仔ラット55匹が自然分娩し、そのうち40匹を選択し、無作為に高濃度酸素群とコントロール群に振り分けた(それぞれN = 20)。32のBPD患者サンプルを2016年11月30日から2019年5月1日まで吉林大学第二病院新生児科から入手した。本研究において、コントロール群の肺組織は明らかな病理学的変化は示さない一方で、高濃度酸素群では、肺組織は構造異常を示すことが明らかになった。高濃度酸素暴露時間が長いほど、肺胞壁は脆弱化した。高濃度酸素下では、肺サンプル内の酸化ストレス関連酵素(CAT、GSH-Px、SOD)活性は処理前のものよりも有意に低かった。高濃度酸素群のKeap1のmRNAおよびタンパク発現レベルは、コントロール群のものより少し低かった。高濃度酸素群のNrf2とHO-1のmRNAおよびタンパク発現はコントロール群のものよりも有意に高かった。BPD児では、SOD、GSH-Px、CATの活性がコントロール群のものと有意に異なることが明らかになった。われわれは、未熟仔BPD動物モデルを作製し、異なる群での酸化ストレスの異常とKeap1/Nrf2シグナル経路関連分子の発現レベルを明らかにし、BPD未熟児での結果を実証した。