研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介082520

Physiol Rep. 2020 Aug;8(16):e14555.

 

Curcumin analogs (B2BrBC and C66) supplementation attenuates airway hyperreactivity and promote airway relaxation in neonatal rats exposed to hyperoxia

 

背景:本研究は、『新規に合成されたクルクミノイドであるB2BrBCC66の補充は高濃度酸素で誘導される気管過敏性と気管平滑筋(tracheal smooth muscleTSM)弛緩障害を防ぐ』という仮説を検証するため行われた。

方法:新生仔ラット(P5)を7日間高濃度酸素(>95%酸素)またはルームエアに暴露した。P12、①B2BrBCまたはC66の有無でメサコリン(10-8 -10-4 M)誘導収縮反応または電場刺激(5-60 V)誘導弛緩をin vitroで検証するため、または②両方のアナログにより誘導された直接的弛緩効果を検証するため、気管シリンダーを使用した。

結果:高濃度酸素は、ルームエアコントロールと比較して、有意にTSMの収縮を増加させ、弛緩を減少させた。B2BrBCまたはC66の存在下では、高濃度酸素により変化した収縮および弛緩反応は両方とも正常化した。両方ともクルクミノイドは前収縮させたTSMの弛緩を容量依存的に直接誘導した。高濃度酸素動物に対するB2BrBCまたはC66の補充は、カタラーゼ活性を有意に増加させた。高濃度酸素暴露動物では肺TNF-αが有意に増加した。両方のクルクミンアナログは高濃度酸素動物のTNF-α増加を軽減させた。

結論:われわれはB2BrBCC66は、TSMに対する高濃度酸素の有害な収縮と弛緩効果と全肺の炎症に対して保護することを示した。両方のアナログともTSMの直接的弛緩を生じさせた。高濃度酸素下でのカタラーゼ活性修復を通して、われわれは、アナログはH2O2の異化を増加させることにより高濃度酸素誘導気管過敏性に対して防御的に働くと推測した。新生児期高濃度酸素は気管収縮性を増加させ、気管弛緩を減弱させ、肺の抗酸化能を減弱させ、肺の炎症を増加させる一方で、モノカルボニルCURアナログは高濃度酸素のこれらの有害作用に対して防御的に働いた。アナログは新生児期高濃度酸素による気道・肺疾患に対する期待される新規治療法となるかもしれない。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7435033/