研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介091520

Pediatrics. 2020 Feb;145(2):e20190861.

 

Reducing Variation in the Management of Apnea of Prematurity in the Intensive Care Nursery

 

背景:未熟児は、未熟児無呼吸発作によって徐脈または酸素飽和度低下のイベントを生じるが、児の成熟とともに消失する。退院前の標準的『イベントなし』期間を推奨する米国小児科学会のガイドラインがあるにもかかわらず、われわれのNICUでの観察期間にはばらつきがある。20186月まで、NICU36週未満の早産児に対して、最後に記録されたイベント後、退院までの時間を、3.6日(範囲0-6日)のベースライン平均から5日に標準化することを目的とした。

方法:質改善チームは改善モデルを使用した。計画-実行-評価-改善(plan-do-study-act)サイクルを用いて、運用方法に対する意見の一致後、看護師によるイベントの記録を改善させ、退院基準を標準化させた。評価項目は、最後に記録されたイベント後の退院までの日数とした。経過評価項目は、電子カルテ内に完全かつ正確に記録されたイベントの割合等とした。バランス評価項目は、修正36週後の入院期間とした。われわれは統計的経過コントロールを使用した。

結果:ベースラインのイベント観察期間は0-6日間の範囲だった。有意なイベントを定義し、期待値を記録し、退院前5日間『観察』の同意を得た後、x̅ s統計的経過コントロール図上で、イベント観察期間は狭まり、平均は3.6から4.8日へとシフトした。記録の完成率は38%から63%へと上昇し、有意なイベントの記録は38%から88%へと上昇した。修正36週後の入院期間には変化がなく、看護師の満足度は改善した。

結論:われわれは、未熟児無呼吸発作の管理のばらつきを減少させ、同時にスタッフの満足度を改善させた。次のステップは、電子カルテのフローシートを見直し、関連NICUに広めることである。

 

https://pediatrics.aappublications.org/content/145/2/e20190861