研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介092120

Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2020 Apr 29:fetalneonatal-2019-318636.

 

Quality improvement programme to increase the rate of deferred cord clamping at preterm birth using the Lifestart trolley

 

目的:分娩時、損傷のない臍帯で未熟児(<在胎32週)の蘇生と安定化を可能にするLifestartカートの使用記録を増やすことを目的とした。

デザイン:20184月から20194月までの13か月間の質改善プログラムを計画--実行--検証--改善(Plan, Do, Study and ActPDSA)サイクルを使って行った。①Lifestartが使用されたかどうかと、②施設の方針通り、対象児に対して2分間の臍帯遅延結紮が行われたか、を明らかにするため、連続した早産分娩(<32週)113件のデータを検討した。不履行のエピソードを解析し、原因を明らかにし、将来同様の不履行を減少させるための介入を行った。収集したデータはグラフを使って示し、スタッフへの月刊ニュースレターに隔月で掲載し、不履行のふり返りから学んだ教訓も掲載した。

結果:Lifestart使用の記録はプロジェクト開始時の10%から最終月には79%に増加した。すべての児がDCCの対象ではなかった。本プロジェクト期間中、早産児40人(35%)がDCCを行う対象ではなかった。対象児の中で、DCCの割合は最初の3か月の17%から最後の3ヵ月の92%へ増加した(p<0.0001)。

関連性:標準的なPDSAサイクルの取り組みとDCCの重要性に関する教育の改善により、われわれは、DCCを行うLifestart の使用が改善したことを示した。本プロジェクトからの学習内容は、改善した履行率を維持するための教育的ビデオ制作のために使用された。

 

https://fn.bmj.com/content/early/2020/04/28/archdischild-2019-318636