研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介092220

J Neonatal Perinatal Med. 2020 Jun 6. Online ahead of print.

 

The impact of targeted oxygen reduction test in preterm infants on reducing the oxygen exposure

 

背景:呼吸補助を要する児のケアは、中所得国では難しい課題であり、酸素ヒストグラムの毎日の評価により決定される標的酸素漸減テスト(targeted oxygen reduction testtORT)のプロトコールを活用することは、新しく実践的なアプローチである。

目的:早産児の酸素投与期間と入院期間短縮を目的とした質改善プロジェクトとして、酸素ヒストグラムを毎日評価することにより決定されるtORTの効果を検証する。

研究デザイン:早産児コホートの観察期間(2016年~2017年、第I期)後、2017年~2018年(第II期)に2つのカイロ軍病院の新生児集中治療室(neonatal intensive care unitsNICU)で質改善プロジェクトを行った。主要目的は、酸素投与と入院の期間を短縮することである。第II期のすべての児に対して酸素ヒストグラムの評価を毎日行い、所定のプロトコールに該当する場合は酸素漸減試験を行った。これら2つの時期を比較し、主要評価項目は酸素投与中止時間とした。

結果:59人の児を対象とした;30人にプロトコールに則ったtORT(第II期)を、児1人当たり中央値(IQR42-6)回行った。開始時日齢(初回tORT評価時)は85-13)日だった。酸素投与および全入院期間は第II期で有意に減少した。酸素ヒストグラムはtORT後に有意に改善した。

結論:酸素ヒストグラムにより決定されるtORTを活用することは、NICU入院児の酸素暴露と入院期間に大きな影響を与えるかもしれない。

 

https://content.iospress.com/articles/journal-of-neonatal-perinatal-medicine/npm200459