埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介100120
BMC
Pregnancy Childbirth. 2020 Aug 27;20(1):496.
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Neonatal
transitional support with intact umbilical cord in assisted vaginal deliveries:
a quality-improvement cohort study
背景:遅延臍帯結紮は正期産および早産児で有益なことが証明されており、最近の研究では、結紮が児の生理学や呼吸したかどうかに基づいて行われれば、心肺がより安定化することが示された。それにもかかわらず、新生児蘇生の現在のガイドラインでは、母親のベッドサイドに新生児を蘇生するための機材と人員がある場合を除いて、重症新生児に対していまだに早期臍帯結紮(early cord clamping、ECC)が推奨されている。この質改善コホート研究の目的は、携帯型蘇生機材(LifeStart™)を含む新規分娩室プロトコールを導入することが、介助経膣分娩においてECCの頻度を減少させるかどうかを評価することである。
方法:臍帯結紮と移行期ケアに関するデータを新規プロトコール導入前8か月と後8か月に収集した。変更実施のための推進力と障害を明らかにするため、Model for Improvementを用いた。改善のサインとこれら変化が持続可能であるかどうかを示すため、Statistical Process Control解析が用いられた。可能性のある交絡因子を調整した主要評価項目に対する新規プロトコールの効果を評価するため、多変量ロジステック回帰を用いた。
結果:ECCの頻度は全体で13%から1%に低下し(P < 0.01)、蘇生台で移行期サポートを必要とする児で相対リスクは98%減少した(調整OR 0.02、P < 0.001)。平均臍帯結紮時間は43%増加した(p < 0.001)。母親の胸に直接置かれた児は少なかったが(n = 43 [42%] 対n = 69 [75.0%]、P < 0.001)、急な移行期ケアの必要性や新生児集中治療室への搬送には有意差は認めなかった。改善の傾向は介入以前、特に全員参加の教育セッションと多職種のシミュレーショントレーニング以降、すでに見られていた。
結論:携帯型蘇生機材を含んだ新規分娩室プロトコールにより、正期産児と後期早産児の介助経膣分娩での早期臍帯結紮をうまくやめることができた。Model for Improvementのような系統的アプローチは、期待される結果を出すことと持続させることの両方に重要のようである。
https://bmcpregnancychildbirth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12884-020-03188-0