研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介111320

Respir Care. 2020 Nov 3:respcare.08347. Online ahead of print.

 

Reducing Unnecessary Nitric Oxide Use: A Hospital-Wide, Respiratory Therapist-Driven Quality Improvement Project

 

背景:われわれは吸入一酸化窒素(inhaled nitric oxideINO)の施設内使用を評価し、改善のためInstitute for Healthcare Improvementモデルを用いて、無駄を減らす方法を策定しようとした。8か月以内にINO使用を20%減らすことを目的とした。

方法:本研究は、前方視的、呼吸療法士による質改善プロジェクトである。われわれは、新生児科・小児集中治療科・心臓血管集中治療科・呼吸療法科により作成された病院全体のINO使用プロトコールを導入した。INO使用とプロトール不履行に関する呼吸療法士のデータは、電子カルテから抽出し、改善の機会を得るために使用した。病院全体の月間INO使用(時単位)を主要評価項目として使用した。患者あたりの時間使用中央値(患者7人のグループで評価)を副次評価項目として使用した。新規シルデナフィル投与量をバランス評価項目として、INO離脱プロトコール介入の前後で表にまとめた。特定の期間中にINO療法を行った院内のすべての患者を対象とした。

結果:病院全体の全使用時間は1,515時間/月から930時間/月に減少した。この39%の病院全体での減少は、2018年のINOコストを時間130ドルとすると、年間約912,000ドルのコスト回避に相当した。患者あたりのINO使用時間中央値は88時間から50時間へと減少した。シルデナフィルは介入前期で98人中18人(18%)、介入後期で109人中12人(11%)において開始された(P = .27)。

結果:病院全体の多職種専門家イニシアチブにより、不必要なINO使用は減少し、結果として患者への暴露の減少と、関連するコストの回避となった。

 

http://rc.rcjournal.com/content/early/2020/11/03/respcare.08347.short