研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介111920

Am J Perinatol. 2020 Nov 3. Online ahead of print.

 

Charge Nurses Taking Charge, Challenging the Culture of Culture-Negative Sepsis, and Preventing Central-Line Infections to Reduce NICU Antibiotic Usage

 

目的:われわれは、新生児集中治療室(neonatal intensive care unitNICU)内の月間抗菌薬使用率(antibiotic usage rateAUR1000患者-日あたりの治療日数)をベースラインの33020157-20164月)から201812月までに200へ減らすことを目的とした。

研究デザイン:われわれは、以下の3つのキードライバーを明らかにした:(1NICU主任看護師を参加させる、(2)培養陰性敗血症の培養を疑う、(3)中心ライン関連血流感染(central-line associated bloodstream infectionsCLABSI)を減少させる。主要評価項目はAURとした。48時間以上抗菌薬で治療した培養陰性敗血症の割合とCLABSIを過程評価項目とした。バランス評価項目として入院費/入院期間比と死亡率を用いた。

結果:いくつかのplan-do-study-actPDSA)サイクルを試みた後、 AUR2016年の330から2017年の297へとわずかに減少した。しかし、統計学的プロセスコントロール(process controlSPC)解析(u'-chart)により、AURの特別な変動要因を見出さなかった。それ以降、われわれは20181月にCLABSIを減少させることを重要視した。結果として、平均AUR201812月までに217まで減少した。われわれの継続した努力により、目標期間を超えて、AURは持続的に減少した。重要なことに、入院費と死亡率は改善期間中増加しなかった。

結論:われわれの一連の質改善(quality improvementQI)努力によりAURを減少させることができた。われわれは、NICU主任看護師による抗菌薬中断やQI期間を超え継続したCLABSI予防の重点化等の強力な抗菌薬管理プログラムを作成するためのプロセスを実行した。

キーポイント:・本研究はNICUにおける抗菌薬使用を減少させるための質改善プロジェクトである。・主任看護師はNICU内の感染減少の指揮を執るべきである。・抗菌薬使用減少のため、中心ライン感染は避けるべきである。

 

https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-0040-1719079