研究部門

埼玉医科大学総合医療センター小児科 文献紹介120120

Indian J Pediatr. 2020 Nov 27. Online ahead of print.

 

Implementing Family-Centered Care in the Neonatal Intensive Care Unit - A Quality Improvement Initiative

 

目的:本研究の目的は、新生児集中治療室(neonatal intensive care unitNICU)内でfamily-centered careFCC)を行うことである。FCCは家族と医療システムの両方に有益な、母児の絆を促進する。二次NICUにおいて、現在のベースラインの30%から6か月後の80%FCCを行うため、質改善(quality-improvementQI)法を用いた。

方法:Institute of Healthcareの改善モデルを用いて、二次NICUに入院中の新生児に対する看護活動・経口哺乳・カンガルーケアへ家族を参加させるための戦略を実行した。適格基準は、少なくとも16時間、母親が好ましいが、少なくとも家族の1人が参加可能なことと、在胎期間にかかわらず、生理学的基準に基づき児が安定している場合とした。重要な介入は以下である:①面会時間を広げたFCC施設プロトコールの採用;②視聴覚教材を使った両親教育;③トレーニングと相互支援による能力強化。

結果:20198月から20201月の間に、1587人の新生児がNICUに入院し、二次NICUに入院した505人が登録された。FCCに参加した対象母子の割合は、ベースラインの32%から介入期間中の44%、介入後期間の66%へと増加した。1か月あたりのFCCが確認された日数は、ベースラインの67%から介入後期間の82%へと増加した。FCCが行われた後でも、敗血症発症率の増加はなかった。

結論:視聴覚教材を用いた両親対するFCCのオリエンテーション、ハンズオントレーニングの提供と相互支援は、両親が新生児ケアに積極的に参加することを促進させた。

 

https://link.springer.com/article/10.1007/s12098-020-03566-8