文献紹介040219(Designing a better definition of bronchopulmonary dysplasia-2)
Pediatr
Pulmonol. 2019 Mar 12. [Epub ahead of print]
Designing
a better definition of bronchopulmonary dysplasia
早産児の管理における多くの換気補助モードの使用や酸素投与に関して、医師(新生児科医)によって診療指針が大きく異なる。このような状況における主観的性質と上記治療法に対する『許容できる/適切な反応』の範囲を考えると、このような呼吸補助の必要性に関するよりしっかりとした客観的な評価法が、このような治療が実際に必要であることの定義づけを改善させる可能性があることが期待される。
NobileらによるPediatric Pulmonology本号の論文では、著者らは、肺の酸素拡散能を評価するために、SFRと表記する非侵襲的酸素飽和度(酸素飽和度またはSatO2)と吸入酸素濃度(FiO2)の比を使用した。著者も述べているように、SFRは多くの臨床の場で、P/F比(動脈血酸素濃度(PaO2)と吸入酸素濃度(FIO2)比)の信頼できる代理マーカーとなることが明らかになった。
著者らは36週時のSFR値(36w‐SFR)はBPD児(『生理学的』定義使用)と非BPD児では有意に異なることを報告した[371[316‐419]対467[460‐471];P < 0.001]。加えて、36w‐SFRは同じ研究者グループで先に出版された早期呼吸器疾患パターン(early respiratory disease patterns (ERP)によっても有意に異なった。Nobileらの研究では、BPD児、非BPD児でともにERPによる有意な差を認めた(P < 0.001;Kruskal Wallisテスト)。しかし、BPD児では36w‐SFRに対するGAの有意な影響は認めなかった(P = 0.621)。BPD発症ハイリスクである、修復能が減少し、相対的に脆弱で、前駆細胞の不足した未熟肺を持つ児が、特にサーファクタント治療と短期的で適切な機械的補助後、『正常』SFRを示している可能性が高い。SFRは記録されたSpO2を生じさせるのに必要な機械的補助に関して取り入れていないため、非常に異なるレベルの補助で同じSFRを示すことがありうる。このことが、BPDを発症した児でSFRとGAの相関が見た目ないことの説明になるであろう。
著者らはまた3日目SFR、7日目SFR、14日目SFRとERPが短期予後(例、利尿剤または出生後ステロイド使用)と同様、有意な関連を示すことに気付いた。この研究には重要なリミテーションがある。事実上、後方視的であること、最終解析にSFRデータを含まない患者がかなり多数(n = 205)いること、GAとSFRが相関しないことである。GAは歴史的にBPDと最も一貫性のある相関を示してきたため、最後が最も懸念されるものである。