小児科全体

7月31日 埼玉医科大学総合医療センター小児科研修医抄読会

 コロナウイルス感染の影響でしばらく中止していた研修医抄読会を4か月ぶりに開催しました。

  取り上げられた論文は以下のとおりです。

 

谷口博美先生 Association Between Objectively Measured Sleep Duration and Symptoms of Psychiatric Disorders in Middle Childhood, JAMA Network Open. 2019;2(12):e1918281. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.18281

厚川紗愛先生 Risk Factors for Severe Anaphylaxis in Children, The Journal of Pediatrics, https://doi.org/10.1016/j.jpeds.2020.06.021

前森新大先生 Patterns of skeletal fractures in child abuse: systematic review, BMJ 2008;337:a1518  doi:10.1136/bmj.a1518

 

川越2年目の谷口先生が取り上げたのは子どもの睡眠時間と心理的な問題を前方視的に調べたノルウェーのコホート研究です。結果は関連がありそうというものでした。日本のエコチルでも食品を食べ始める時期の調査結果が出てきており、精神神経発達検査も予定されています。日本でも睡眠時間との関連が出てくるかもしれません。

https://www.env.go.jp/chemi/ceh/index.html

やはり川越2年目の厚川先生が読んだのは重症アナフィラキシーのリスク因子に関するスペインからの論文でした。喘息の既往や暴露から症状出現までが短時間、といったことなどがリスクとして挙げられていました。救急外来で入院させるか、帰宅させるか迷うこともあり、参考になる論文でした。私もアナフィラキシーのガイドラインを復習しました。

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF

関越病院から研修にきた前森先生が紹介した論文は虐待による骨折に関するシステマティック・レビューでした。骨折そのもののみでは区別することは難しいが、児の発達段階、骨折の部位、タイプなどが参考になるとのことでした。PICUには時々頭蓋骨骨折の児も入院し、悩むこともあり、そういったときには読み返したいと思います。

3人とも1か月真面目に研修してきました。腎疾患や内分泌疾患の新患も入院してきて勉強になったのではないかと思います。3人の今後に期待したいと思います。

 

 今年はようやく梅雨明けとなりました。まだあまりセミの声を聞いていないように思います。写真は一昨年の夏にとったアゲハチョウです。

https://www.facebook.com/SMCPediatrics/?ref=aymt_homepage_panel

 

文責 森脇浩一